Vol.8 福岡で初めてのマルシェ出店
Vol.8 福岡で初めてのマルシェ出店

Vol.8 福岡で初めてのマルシェ出店

タイと台湾へ農業視察へ行った後、福岡で起業したのは2015年5月。
そして、初めてのマルシェ出店したのは2015年6月です。
それまでの間に、農家さんの畑へ足を運び、どのように野菜を作っているのか現地を見て、直接話を聞いて。
農家さん達が無農薬・無化学肥料で野菜を作る想いを知ること、土壌の違い、野菜の作り方の違いを知ることに時間をかけました。

まったく農業とは無縁のIT関連という仕事をしていたので、用語からさっぱりわかりません。
「オーガニックと無農薬って、何がどう違うの?」「有機農業、自然農、どう違うの?」「土壌?微生物?」
素人質問に、農家さん達はちゃんと教えてくれて、目の前に育ってる野菜を食べさせてくれて、そうやって学ばせてもらいました。

GO Organicsは、無農薬野菜の販売からスタートしたのですが、必ず農家さんの畑へ出向き、これはみんなに知ってもらいたい!食べてもらいたい!という気持ちで販売させていただきました。
少しでも新鮮な状態で食べてもらいたいので、マルシェ出店の当日早朝または前日の夕方に農家さんのところへ車で直接仕入れに行きます。
そして、マルシェ出店の場所に到着し、準備しながら野菜たちにGO Organicsのシールを貼り、折りたたみテーブルを広げ統一性のないテーブルクロスを敷き、ベニヤ板に貼ったロゴマークを立てかけ、値札は100均で購入した付箋紙です(笑)

農家さんに書いてもらった野菜の名前、ポイント、食べ方などを、お客さんが来る前に暗記します。
人参、ジャガイモ、玉ねぎ、ミニトマトならわかるけれど、当時UFOズッキーニやカラフル人参、渦巻きビーツなど、一般のスーパーには並ばない珍しい野菜たちを農家さんが提供してくれていたのです。
お客さんが来る前に、すでにどんなことを聞かれるのかドキドキです。
当然ながら、買いにくるお客さんからは「初めてみた、何という野菜?どうやって食べるの?」と質問の嵐。
農家さんとお客さんとの間に入ることで、様々なことを学び、生産者目線と消費者目線の両方を知ることができました。

無農薬・無化学肥料で野菜を作る農家さんの数は、当時からとても限られています。
しかも1農家さんあたりの生産量が少ないので、貴重な野菜の行先は、農家さんと直接繋がり定期宅配などで購入する消費者が第一優先です。
そんな中からGO Organicsとして販売させていただける量を捻出してもらうという、とても貴重な野菜たちなのです。
初めて野菜を販売する中で、目の前の野菜たちはとても美しく、野菜が売れた時の喜び・感動は、なんともいえないものでした。

1袋数百円の野菜。
農家さんが時間と労力をかけて野菜を育て、それを販売する人が集荷し、マルシェやスーパーで販売する。
野菜を直接仕入れ、販売させてもらうことで、消費者の手に届くまでの流通を知る。
当時から、「オーガニック野菜は高い」とよく言われていました。でも、実際の流通を知ると決して高くはなく安いくらいです。
大量生産の野菜は、農薬や化学肥料、機械によって効率化が図られています。流通も大量に動かす。
農薬や化学肥料を使わず、手間暇をかけて、手作業で丁寧に収穫し袋詰めされた野菜は、本当にその価値をわかってくれる人の手へ届けたい。
段々とそんな気持ちが湧いてきて、野菜のことを聞くでもなく、先に値段をみて「高い」というお客さんには「そうですねー」と愛想のない対応になったりしてました(笑)

価値観は人それぞれ。
オーガニック野菜を選ぶ人の特徴は、物の価値をお金で判断するのではなく、まず物そのものを知ろうとします。

なぜオーガニックなのか、なぜそれを買うのか。
消費者としての考え・行動は、数百円の買い物にも反映されます。
小さな買い物でも、多くの人が意味のある消費・未来へ繋がる消費をしようと心掛けるだけで、環境や社会は大きく変わっていきます。

当初、野菜の袋に貼っていたロゴマークのシールに印字していたのは「農業でアジアと日本をつなげる」という文字です。
GO Organicsの本拠地は香港。そして日本より先にスタートしたタイ。
タイではすでに複数の農家さん達と繋がりマルシェ販売、個人宅配、飲食店への卸を、創設者のSpencer Leungと数名のスタッフがビジネスとして展開して。
私達の目指すところは、日本を含むアジア全体の農業を世界一の農業エリアとしてサポートしていきたい、アジアの農家さん達と繋がり次世代へ引き継いでいきたい、その夢・目標は2021年の今でもずっと変わっていません。

この小さな手作り感満載のマルシェから、そんな大それたことを考えていたなんて誰も想像もつかないでしょうね。
大きな夢を思い描きながら、宝石のような野菜たちが食卓へ運ばれていくのをとても嬉しく感じていました。